生物膜による簡易な前処理を導入した下水の直接膜ろ過

  • 杉山 徹
    北海道大学大学院工学院環境創生工学専攻
  • 山川 むつみ
    北海道大学大学院工学院環境創生工学専攻
  • 高橋 威胤
    北海道大学大学院工学院環境創生工学専攻
  • 羽深 昭
    北海道大学大学院 工学研究院環境工学部門
  • 木村 克輝
    北海道大学大学院 工学研究院環境工学部門

書誌事項

タイトル別名
  • DIRECT MEMBRANE FILTRATION (DMF) OF MUNICIPAL WASTEWATER USING A BIOFILM PROCESS AS A PRE-TREATMENT
  • セイブツマク ニ ヨル カンイ ナ マエショリ オ ドウニュウ シタ ゲスイ ノ チョクセツマク ロカ

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抄録

<p> 都市下水中に含まれる有機物は新たなエネルギー源として見なすことができる.しかし,下水中からのエネルギー回収に必要なプロセスである嫌気性消化を直接適用するためには,有機物を濃縮する必要がある.下水を直接膜ろ過し,有機物を濃縮することで嫌気性消化の適用は容易となり下水からのエネルギー回収量を大幅に増加させることができる.しかし,膜ファウリングの発生と透過水中の有機物濃度の高さが課題となる.本研究では,下水直接膜ろ過の前処理としてスポンジ担体を用いた生物膜処理を導入し,ファウリング抑制効果と膜透過水中有機物濃度の低減を試みた.生物膜処理において,HRTとDOを変化させることにより有機物除去を調節し,回収可能となる有機物量(流入下水中有機物の約75%)を維持したまま膜透過水中有機物濃度を低減させることができた.低水温期(10.9-12.6℃)に実施した実験では,前処理による膜ファウリング発生は抑制された.水温が上昇した(13.9-16.8℃)期間に実施した実験では微生物活動が活性化し,前処理を導入した系列ではバイオポリマーに起因すると考えられる膜ファウリングの発生が顕著になった.一方で水温上昇時に前処理を導入した系列では,膜透過水中のBOD濃度は約7 mg/Lとなり,従来の下水処理法と同程度のBOD濃度となった.</p>

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参考文献 (10)*注記

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