杏林大学におけるチュートリアル教育

DOI
  • 大木 紫
    杏林大学医学部アクティブラーニング室室長/杏林大学医学部統合生理学教室

書誌事項

タイトル別名
  • Tutorial program in Kyorin University

この論文をさがす

抄録

<p>PBLチュートリアルは欧米の医療系大学で始まり,より効果的に知識を定着できるシステムとされている。小グループにチューターをつけた問題基盤型学習法で,杏林大学では2004年から実施されている。臨床講義が始まった4年に行われるチュートリアルは,様々な情報からグループで臨床診断を行うものであるが,入学したばかりの1年にはプレチュートリアルと呼ばれる独自のカリキュラムを実施している。プレチュートリアルでは1年の前期に,1つの課題について4回のSGD(小グループ討論)を行い,計2課題について学習する。課題シートでは日常出あうような状況を提示し,そこから自分たちで問題点を見つけ,学習を進める。内容的には,時事問題から最新の知見など,学生の興味を引くような課題の作成に努めている。このプログラムを通して,ディスカッションの仕方,問題点の見つけ方,総合的な考え方,リソースのみつけ方などを学んでもらい,また科学的なレポートの書き方を習得してもらいたいと考えている。2020年度は新型コロナウィルス流行の影響で,今までどおり集まってのSGDが実施出来なかった。しかし逆に,オンライン会議システムを導入するなど,新しいSGDの可能性も見えてきた。チューターの負担,チューター間の違い,課題の偏り,学生の意欲を持続させる方策など問題点もあるが,今後も改良しながらプレチュートリアル教育を行っていきたい。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ