マンモグラフィによる乳房構成と乳癌の臨床所見の関連について

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  • Relationship between breast density by mammography and clinical findings for breast cancer

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抄録

マンモグラフィ(MG)による乳房構成と乳癌の臨床的所見との関連を検討することを目的とした。2018~2019年の2年間に,MG,超音波検(US),手術を行った254例を対象とした。乳房構成を脂肪性,乳腺散在,不均一高濃度,極めて高濃度の4分類とし,乳癌診断年齢,BMI,サブタイプ分類,病期,発見契機,診断MG,US カテゴリーと比較検討した。高濃度になるほど,年齢とBMI は有意に(p<0.01)低下した。4分類とルミナール型の比率に差はなかったが,脂肪性でトリプルネガティブ型の比率が比較的高かった。発見契機では脂肪性は腫瘤自覚が多く,その他3分類は濃度が高くなるほど,腫瘤自覚の比率が高く,検診・ドック発見の比率が低下した。高濃度乳房では,手術症例に限定した診断MG でも著明に診断能が低かったが,早期癌比率は他と同等であった。これは診断US で補うことができていたためと考える。乳房構成はさまざまな要因によってその濃度が形成されるため,乳癌の単純な臨床所見との比較で,明確な結論を見つけることはできなかった。今後は有効な因子で層別化した後に乳房構成を再検討していきたい。

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参考文献 (11)*注記

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