地震災害時の在留外国人の情報ニーズに関する分析:東京大学留学生を対象とした一考察

  • 川崎 昭如
    東京大学 生産技術研究所 都市基盤安全工学国際研究センター
  • 居山 拓矢
    横浜市役所
  • 目黒 公郎
    東京大学 生産技術研究所 都市基盤安全工学国際研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Investigation on the Information Needs by Foreigners Residing in Japan during an Earthquake Disaster: Case of Foreign Students of The University of Tokyo
  • ジシン サイガイジ ノ ザイリュウ ガイコクジン ノ ジョウホウ ニーズ ニ カンスル ブンセキ : トウキョウ ダイガク リュウガクセイ オ タイショウ ト シタ イチ コウサツ

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抄録

<p>本稿では、我が国の在留外国人を支援するための震災時情報提供システムの開発を最終目的として、緊急対応期の外国人特有の情報ニーズを把握するための分析を行った。具体的には、在留外国人の一つのグループとして東京大学の留学生を対象としたワークショップを開催し、地震発生後の情報行動過程のデータを収集した。そして、それらのデータの分析により、被験者の“時間”と“行動”による情報ニーズを示すとともに、日本での滞在期間による外国人留学生の情報ニーズの違いを示した。被験者全体で見た場合、外国人特有の情報は、発災直後でなく、比較的冷静に物事を考え始められる1日目以降からニーズが高くなった。その際、第一に知人からのロコミ、そして次にインターネットを情報源として利用したいと考える割合が高かった。また、日本での滞在期間が短い人ほど、帰宅行動をする際に警報や危険度情報といった具体的な行動を指示する情報に対するニーズが高くなり、滞在期間の長い人ほど情報がなくても経験的に目視などで状況判断できる可能性が高いことが示唆された。今後の課題として、データベースを拡充し、多様な視点からの分析を深めるとともに、外国人労働者なども対象とした調査を併せて進める必要がある。</p>

収録刊行物

  • 災害情報

    災害情報 12 (0), 124-133, 2014

    日本災害情報学会

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