生活防災タイムラインを通じた時系列の災害対応に対する住民意識

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タイトル別名
  • Awareness Change of Inhabitants' Disaster Action through Disaster Reduction Timeline in Daily Life
  • セイカツ ボウサイ タイムライン オ ツウジタ ジケイレツ ノ サイガイ タイオウ ニ タイスル ジュウミン イシキ

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抄録

<p>現在、主に事前予測がある程度可能な台風等の風水害を対象に、時系列の災害対応を規定するタイムライン(防災行動計画)の考え方が普及してきている。これまで、タイムラインの多くは行政や関係機関における事前の災害対応の確認と組織内外の連携を促進することが主となっており、住民参加については十分に議論されていない。一方で、少しずつ住民によるタイムラインへの参加の取組も実施されつつある。このような状況を踏まえ、本研究では、住民のタイムラインへの参加について、現状を把握するとともに、日常と防災を分離しない生活防災の考え方を組み込んだ生活防災タイムラインの取組を通じて、時系列の災害対応に対する住民意識を確認した。</p><p>生活防災タイムラインの取組の結果として、事前の行動意識が高まることが確認される一方、今後の災害に対する住民の注意意識の時間変化は約52%で変化が見られないとともに、住民の災害への対応行動に対する意識が多くのタイムラインが想定する72時間前からの対応には十分でないなど、タイムラインの枠組みを作るだけでは住民に一層の事前の災害対応を促すためには、課題があることが確認された。一方で、生活防災タイムラインにより日常の中で災害を意識することで、事前対応の促進と日頃からタイムラインを意識する習慣形成につながる可能性も確認された。</p>

収録刊行物

  • 災害情報

    災害情報 16 (1), 73-84, 2018

    日本災害情報学会

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