オプション価格情報を利用した資産価格変動要因の分解―米国株式市場における実証分析―

  • 霧生 拓也
    慶應義塾大学大学院理工学研究科 株式会社三菱UFJトラスト投資工学研究所
  • 枇々木 規雄
    慶應義塾大学理工学部管理工学科

書誌事項

タイトル別名
  • オプション カカク ジョウホウ オ リヨウ シタ シサン カカク ヘンドウ ヨウイン ノ ブンカイ : ベイコク カブシキ シジョウ ニ オケル ジッショウ ブンセキ

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抄録

<p>資産価格変動要因の特定はファイナンスにおける重要なトピックの一つである.その中でも日次など短期の変動要因を特定することは,経済イベントと紐づけて議論するために特に重要である.しかし,短期の変動要因の分析に適した方法は少なく,関連した研究はこれまでなされていない.本研究では,オプション価格情報を利用した変動要因の分解方法を提案し,米国株式指数の日次リターンの変動要因を分析する.具体的にはRecovery Theoremを用いてオプション価格から推定した実分布とSDFをもとに,リターンをキャッシュフロー要因と割引率要因に分解する.オプション価格は情報を迅速に織り込むため,短期の変動要因の分析に適すると考えられる.実証分析の結果から,キャッシュフロー要因が短期の価格変動の主要因であることが明らかになった.ただし,FOMCアナウンスメント日には割引率要因の影響がそれ以外の日と比べて大きくなることもわかった.</p>

収録刊行物

  • 現代ファイナンス

    現代ファイナンス 43 (0), 27-48, 2021-04-17

    日本ファイナンス学会 MPTフォーラム

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