ボルネオ島ダナムバレーの低地フタバガキ林の昼行性霊長類群集の生息地利用

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タイトル別名
  • Habitat use by a primate community in a lowland dipterocarp forest in Danum Valley, Borneo

抄録

<p>生息地に関するニッチ分割の理解は、多種共存のメカニズムを明らかにするために必須である。十分に広い範囲をカバーする個体数調査を、環境の季節変動を含むように、長期にわたって何度も繰り返して行わなければならないため、霊長類ではそのようなデータは非常に少ない。超年周期で予測不能な果実資源の変動が起こる東南アジア熱帯林の霊長類群集は、とくに興味深い対象である。われわれは、25か月間にわたって、ボルネオ島のダナムバレー森林保護区の中の10km 離れた2か所の調査地で、繰り返しルートセンサスを行った。ここには、オランウータン、ボルネオテナガザル、レッドリーフモンキー、カニクイザル、ブタオザルの5種の昼行性霊長類が生息している。この5種は、水平的には生息地分割を行っていなかった。レッドリーフモンキーのみ、樹高が低いところを好む傾向を見せたが、彼らの分布はそのような場所に限定はされていなかった。調査中に1回確認された結実のピークに応じて、オランウータンだけが数を増やした。利用する平均樹高は種によって異なっていた。ほかの霊長類群集と比較して、水平的な生息地の分割の欠如と、オランウータンの長距離移動がこの群集の特徴であるといえる。一方、垂直方向の生息地分割は、ほかの多くの群集でも報告されている。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390287783176313600
  • NII論文ID
    130008029051
  • DOI
    10.14907/primate.36.0_25_3
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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