コロナショックが加速させる格差拡大

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タイトル別名
  • 所得格差とデジタル格差の「負の連鎖」

抄録

近年、グローバリゼーションが進行する中、世界的な所得格差の拡大や中間層の所得の低迷が著しい。日本もその例外ではない。今回、慶應義塾大学大久保敏弘研究室とNIRAが実施した「テレワークに関する就業者実態調査」の結果にも、その傾向は現れている。現在の経済社会情勢は、感染症対策を起因とする経済的な不況の側面を有している。特にコロナ感染症対策により就業が困難となった業種や職種に負の影響が集中しており、所得の低い層ほど経済的な打撃が大きい。また、今回の新型コロナウイルス感染症は、経済的な不況にとどまらず、技術革新の波を一気に引き起こし、一段の格差拡大につながるおそれがある。その背景には、テレワークの利用が所得格差に連動していることがある。すなわち、所得の高い人や大企業はテレワークや業務のデジタル化を積極的に進めており、今後生産性を伸ばすものとみられる一方で、所得の低い層や中小企業ではデジタル化の波に乗れていない。このようにデジタル格差を通じた経済的な格差が著しく広がりつつある。新型コロナショックが、両者の負の連鎖を生む問題であることを念頭に、短期、中期、長期の視点から政策を整理する。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390287827491710464
  • NII論文ID
    130008030399
  • DOI
    10.50878/niraopinion.53
  • ISSN
    24362212
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
    • KAKEN
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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