心尖部心室瘤を合併した心室中部閉塞性肥大型心筋症に対する外科治療の経験

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  • A Experience of Surgical Treatment for Mid-Ventricular Obstructive Hypertrophic Cardiomyopathy with Apical Ventricular Aneurysm

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抄録

<p>心室中部閉塞性肥大型心筋症は稀な疾患であり,しばしば心尖部心室瘤を合併し,時に心室性不整脈によって致命的になる場合がある.患者は76歳男性,近医で心電図異常(巨大陰性T波) を指摘されて当院を受診した.経胸壁心臓超音波検査で乳頭筋位における心筋肥大と心尖部壁の菲薄化と瘤状化を認め,心尖部心室瘤を合併した心室中部閉塞性肥大型心筋症と診断された.経過観察中に労作時呼吸苦が出現し,またホルター心電図で非持続性心室頻拍が認められたため,手術加療の方針とした.人工心肺下に心尖部瘤を切除し,経心尖部アプローチで心筋切除を行った.術後の心臓超音波所見では左室拡張末期容量は増加しており,呼吸苦症状は消失した.術後に心室性不整脈を認めることなく,6カ月後現在の経過は良好である.外科的治療は不整脈および心不全の治療に有効であったと考えられた.</p>

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