四国地方における最終亜間氷期以降のスギの空間分布の変遷

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タイトル別名
  • Spatial changes in the distribution of Cryptomeria japonica since the last interstade in Shikoku Island, southwestern Japan

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抄録

花粉分析資料をもとに,四国地方における最終亜間氷期以降のスギの空間分布の変遷を明らかにした。最終亜間氷期にはスギが広い範囲で優占していたと推定されるが,室戸岬の池山池湿地周辺を除き,その終末に向かって大きく衰退した。最終氷期最盛期直前から晩氷期にかけては,池山池湿地と高知平野薊野低湿地の周辺を除き,スギは優勢ではなかった。室戸岬と高知平野には,最盛期にスギの逃避地が存在したものと考えられる。後氷期初頭には,コナラ属アカガシ亜属とシイ属の優勢な常緑広葉樹林が太平洋側沿岸域を中心に著しく分布拡大した。池山池湿地周辺のように後氷期後期にスギが著しく増加した地域も一部認められるが,スギは後氷期全体を通して優勢とはならなかった。

収録刊行物

  • 植生史研究

    植生史研究 19 (1-2), 61-68, 2011

    日本植生史学会

被引用文献 (1)*注記

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