リンパ管造影により乳び胸水が著明に改善したびまん性大細胞型B細胞リンパ腫

  • 森口 慎
    大阪市立大学大学院医学研究科 血液腫瘍制御学
  • 髙桑 輝人
    大阪市立大学大学院医学研究科 血液腫瘍制御学
  • 影山 健
    大阪市立大学大学院医学研究科 放射線診断学・IVR学
  • 岡村 浩史
    大阪市立大学大学院医学研究科 血液腫瘍制御学
  • 南野 智
    大阪市立大学大学院医学研究科 血液腫瘍制御学
  • 西本 光孝
    大阪市立大学大学院医学研究科 血液腫瘍制御学
  • 中嶋 康博
    大阪市立大学大学院医学研究科 血液腫瘍制御学
  • 康 秀男
    大阪市立大学大学院医学研究科 血液腫瘍制御学
  • 中根 孝彦
    大阪市立大学大学院医学研究科 血液腫瘍制御学
  • 山本 晃
    大阪市立大学大学院医学研究科 放射線診断学・IVR学
  • 中前 博久
    大阪市立大学大学院医学研究科 血液腫瘍制御学
  • 日野 雅之
    大阪市立大学大学院医学研究科 血液腫瘍制御学

書誌事項

タイトル別名
  • Diffuse large B-cell lymphoma with markedly improved chylothorax by lymphangiography
  • リンパカンゾウエイ ニ ヨリ ニュウビ キョウスイ ガ チョメイ ニ カイゼン シタ ビマンセイ ダイ サイボウガタ Bサイボウ リンパシュ

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抄録

<p>乳び胸水はびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の症例にまれに認められる臨床徴候であるが,管理に難渋する場合が多く予後不良である。症例は59歳の女性で,DLBCLの診断時に右胸水貯留を認めた。化学療法に反応してリンパ腫病変は縮小したが胸水の増悪を認めた。胸水穿刺にて乳び胸水と診断し,絶食・中心静脈栄養管理を行うも効果は不良であった。乳び胸水の原因精査のため超音波ガイド下で鼠径リンパ節穿刺によるリンパ管造影検査を行った。乳びの漏出部位は特定できなかったが,検査翌日に胸水の著明な改善を認め,2ヶ月で胸水は完全に消失した。リンパ管造影検査は低侵襲で合併症が少ない検査であり,乳びの漏出部位の特定だけではなく乳び胸水の改善・消失にも寄与する可能性があるため,化学療法や栄養管理に反応しない難治性乳び胸水に対し検討すべき検査と考えられる。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 62 (6), 554-559, 2021

    一般社団法人 日本血液学会

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