産炭地における中間集団としての炭鉱主婦会

書誌事項

タイトル別名
  • The Coal Miners Housewives Association as an Intermediate Group in Coal Mining Area
  • 産炭地における中間集団としての炭鉱主婦会 : 北海道赤平市,芦別市を事例として
  • サンタンチ ニ オケル チュウカン シュウダン ト シテ ノ タンコウ シュフカイ : ホッカイドウ アカビラシ,アシベツシ オ ジレイ ト シテ
  • 北海道赤平市,芦別市を事例として

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抄録

炭鉱が多い北海道においては,炭鉱が地域社会の成立条件になっていた場所も多い。産炭地における地域活動の中でもっとも活動的な組織が炭鉱労働者の妻や母など女性によって組織された炭鉱主婦会であった。炭鉱主婦会や,その上部組織の日本炭鉱主婦協議会(炭婦協)の活動については,活動が活発であった1960 年代までの記録がなされているものの,その後の動向については十分に議論されていない。北海道における炭鉱主婦会に関する数少ない先行研究についても,フェミニズムやジェンダー論の視点が無意識的に解釈に埋め込まれているため,実態とは異なる。 本稿の目的は,北海道における炭鉱主婦会に関する先行研究における事実誤認の修正を行うことである。また,本稿では主婦会研究の背景にある母親による社会運動に対して「対抗性」という観点を前提とした視点やジェンダーフリーという価値をアプリオリにした視点自体をいったん相対化した上で,閉山後も含めた産炭地における中間集団としての炭鉱主婦会の機能と役割,歴史的位置づけに関して,先行研究とは異なった解釈の提示を行う。  その結果,炭鉱主婦会が地域の女性団体の連絡会や,生活学校という「対抗性がない組織」において,活動の幅を広げ,閉山後も産炭地に大きな影響力を及ぼしていることが明らかになった。しかし,専業主婦による運動を組織的に継続することはできず,旧産炭地における中間集団の不在という地域問題が析出された。

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参考文献 (6)*注記

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