持続性知覚性姿勢誘発めまい (Persistent Postural-Perceptual Dizziness: PPPD) に対する抗うつ薬の効果について

  • 八木 千裕
    新潟大学大学院医歯学総合研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科学分野
  • 森田 由香
    新潟大学大学院医歯学総合研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科学分野
  • 北澤 明子
    新潟大学大学院医歯学総合研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科学分野
  • 山岸 達矢
    新潟大学大学院医歯学総合研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科学分野
  • 大島 伸介
    新潟大学大学院医歯学総合研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科学分野
  • 泉 修司
    新潟大学大学院医歯学総合研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科学分野
  • 高橋 邦行
    新潟大学大学院医歯学総合研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科学分野
  • 堀井 新
    新潟大学大学院医歯学総合研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Effects of Antidepressants on Persistent Postural-Perceptual Dizziness (PPPD)
  • ジゾクセイ チカクセイ シセイ ユウハツメマイ(Persistent Postural-Perceptual Dizziness : PPPD)ニ タイスル コウウツヤク ノ コウカ ニ ツイテ

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抄録

<p> 持続性知覚性姿勢誘発めまい (Persistent Postural-Perceptual Dizziness: PPPD) は, 2018年に改訂された WHO の国際疾病分類 (ICD-11) に新規収載された慢性めまいを呈する疾患である. その前年にBárány Society によって診断基準が発表された. 抗うつ薬を用いた薬物療法, 前庭リハビリテーション, 認知行動療法が三大治療とされている. 本研究では, PPPD 90例を対象に, 抗うつ薬の治療効果を検討した. 使用した薬剤は, 選択的セロトニン再取り込み阻害薬 (SSRI), セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬 (SNRI), ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬 (NaSSA) である. 抗うつ薬投与によりめまいによる日常生活の支障度 (Dizziness Handicap Inventory, DHI) の改善を認め, 薬物療法が PPPD のめまい症状に有効であることが示された. 何らかの理由で薬物療法を行わなかった群では, 約1年の観察期間において初診時と比較しめまい症状の改善はなく, PPPD に対する治療介入の必要性が示唆された. 抗うつ薬の有用性が示された一方で, いずれの薬剤も高率に副作用を認め, 副作用出現率の上昇とともに治療継続率が低下したことから, 副作用のコントロールが治療効果をあげる上で重要と考えられた.</p>

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