スクリーニング論争と監視医療論の今日的課題

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タイトル別名
  • Screening Debates and Challenges for the Theory of Surveillance Medicine
  • スクリーニング ロンソウ ト カンシ イリョウロン ノ コンニチテキ カダイ

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抄録

<p>20世紀後半以降、人々の日常生活における様々な問題(「出産」「睡眠」「気分」他)がますます医療の扱うべき対象とされてきた。同時に、病気として顕在化する前に「リスク」を発見するためのスクリーニング(検診)の仕組みが整備されてきた。社会学研究は、医療化論・監視医療論を通じて、こうした状況の理解・説明に取り組んできた。本稿は、近年、米国を中心に巻き起こされたスクリーニングをめぐる論争に着目しながら、現実の社会動向が、監視医療論の説明様式を超えて展開されている点を提示する。</p><p>「便益–害」という軸をもとに検診・医療介入の是非を検討する思潮は、「早期発見」「早期治療」に対する態度変容を萌芽させただけでなく、この対比軸上の「グレーエリア」において医学的所見のみならず、多種多様な要素を含めた価値判断を人々に課した。これらの動向をふまえた監視医療論の再構築が必要となっている。</p>

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