腱板断裂が肩関節動態に与える影響

DOI
  • Sahara Wataru
    Department of Orthopaedics, Osaka University Graduate School of Medicine
  • Sugamoto Kazuomi
    Department of Orthropaedic Biomaterial Science, Osaka University Graduate School of Medicine

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Abstract

腱板断裂患者と健常人の肩関節三次元動態を比較し,腱板断裂が肩関節動態に与える影響を検討した.対象は90° 以上挙上可能な腱板大・広範囲断裂患者(R群:8例, 9肩, 平均73歳)と健常人(N群:14例,21肩,平均27歳)とした.肩甲骨面上の自動挙上・下降動作を透視撮影し,2D/3D registration法にて動態解析を行った.肩甲骨,肩甲上腕関節の回旋,骨頭中心位置を算出し,挙上角度15° 毎にデータを補正して群間で比較した.肩甲骨上方回旋は挙上時ではR群はN群より大きい傾向にあり(P=0.098),肩甲上腕関節の外転角度は有意に小さかった(P < 0.05).しかし下降時はこれらの差は減少した.骨頭中心は挙上・下降ともにR群はN群より有意に上方に位置した(P < 0.05).腱板断裂により肩甲上腕関節での動的安定性と外転トルクが減少したため,骨頭の上方変位と肩甲上腕関節の外転角度の低下が生じ,代償性に肩甲骨の上方回旋が増加したと考えられた.

Journal

  • Katakansetsu

    Katakansetsu 45 (1), 36-39, 2021

    Japan Shoulder Society

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