変形性顎関節症による前歯部開咬に対しオクルーザルオーバーレイスプリントを用いて咬合機能を回復した1例

DOI
  • 山﨑 裕太
    新潟大学医歯学総合病院顎口腔インプラント治療部
  • 安島 久雄
    安島歯科クリニック
  • 荒井 良明
    新潟大学医歯学総合病院顎口腔インプラント治療部
  • 河村 篤志
    新潟大学医歯学総合病院顎口腔インプラント治療部
  • 高嶋 真樹子
    新潟大学医歯学総合病院顎口腔インプラント治療部
  • 松﨑 奈々香
    新潟大学医歯学総合病院顎口腔インプラント治療部
  • 髙木 律男
    新潟大学大学院医歯学総合研究科顎顔面口腔外科学分野

書誌事項

タイトル別名
  • A case report of oral rehabilitation using an occlusal overlay splint for anterior open bite due to osteoarthritis of the temporomandibular joint

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抄録

<p>下顎頭の退行性変化に起因する二次的咬合異常として,前歯部開咬を呈することがある。今回両側変形性顎関節症に起因すると考えられた前歯部開咬に対し,オクルーザルオーバーレイスプリントを用いて咬合機能を回復した1例について報告する。患者は37歳の女性で,顎関節痛と開口障害を主訴に2006年11月に当院を受診した。臨床診査から両側変形性顎関節症と診断された。保存療法を施行中の2007年2月に前歯部開咬を認めた。顎関節の状態および複数の治療法について説明し治療方針に同意を得たうえで,同年7月に開咬による咀嚼障害を改善する目的で下顎オクルーザルオーバーレイスプリントを製作し,食事中および日中装着可能なときに使用させた。就寝中はスタビライゼーションアプライアンスを継続使用させた。2013年10月のCT検査により下顎頭骨吸収は進行していないことが確認できた。長期間にわたり顎関節症の症状の再発はなく,また咀嚼機能の回復は維持されている。オクルーザルオーバーレイスプリントは,両側変形性顎関節症に起因する前歯部開咬に対する有効な治療法の一つであることが示唆された。</p>

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