公共圏への回路と新たな秩序問題

書誌事項

タイトル別名
  • Finding the New Route to the Public Sphere and the Problem of Order
  • 公共圏への回路と新たな秩序問題 : 特集「「ポスト真実」と民主主義のゆくえ」が問いかけるもの
  • コウキョウケン エ ノ カイロ ト アラタ ナ チツジョ モンダイ : トクシュウ 「 「 ポスト シンジツ 」 ト ミンシュ シュギ ノ ユクエ 」 ガ トイカケル モノ
  • the Future of the Democracy under the Era of “the Post-truth”
  • 特集「「ポスト真実」と民主主義のゆくえ」が問いかけるもの

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抄録

<p> ポピュリズムや反エリート主義、既成のマスメディアへの反感、反グローバリズムなどと結びついて反知性主義が猛威を奮っている。「ポスト真実」の時代の民主主義の危機は、日米英などにとどまらない、現代の先進産業社会に共通する根深い構造的な問題である。リベラリズムと普遍主義的な志向の退潮とともに、民主主義の危機は一層深刻度を増している。グローバル化する経済のもとでの格差の拡大とSNSなどの発達が、価値パターンの分断と亀裂をいよいよ深刻化させている。各個人向けにパーソナル化されたフィルターバブルによって、インターネットは、対話のメディアから、「意見の異なる他者を排除するための装置」に変質している。「ポスト真実」は一過的な徒花ではない。その意味で、パーソンズによる「ホッブズ的秩序問題」の二一世紀的な意義が再評価されるべきである。</p><p> 本稿は、特集の清水・上田・寺田・鈴木論文に対するコメントである。</p>

収録刊行物

  • 社会学研究

    社会学研究 103 (0), 7-20, 2019-10-16

    東北社会学研究会

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