青年期男子学生における疲労自覚症状の時系列分析

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タイトル別名
  • Time Series Analysis of Subjective Fatigue Symptoms in Young Male Students

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抄録

本研究の目的は,青年期男子学生を対象に学校生活における疲労自覚症状の時系列変動を疲労自覚症状の内容別および内容相互の関係から明らかにすることであった.  健康な15〜16歳の男子学生104名を対象に,午前(8時50分頃),昼(12時10分頃),及び午後(16時10分頃),1日に3回,月曜日から金曜日までの5日間,24項目からなる疲労自覚症状尺度を調査した.  疲労自覚症状下位領域ごとに日内変動及び日間変動を要因とする2要因分散分析を行った.また,時系列解析として,自己相関係数,偏自己相関係数の算出,ならびに交差相関分析を行った.  疲労自覚症状の訴えはねむけの訴えが最も高かった.疲労自覚症状の訴えの変動は日内変動よりも日間変動においてより大きかった.だるさ以外の症状は,概ね週の始め,特に月曜日に高い訴えを示し,週の半ば以降の訴えは低かった.しかし,これらの変動に周期性は認められなかった.「集中思考困難」および「意欲低下」のように意識水準が関与する症状の訴えには蓄積的傾向が窺えた.疲労自覚症状の下位領域は相互に関連し,また時系列的にも相互に関連することが明らかになった.  疲労自覚症状の評価において,特に直前の訴えは考慮すべき要因であり,今後,領域間の関連を含めた包括的な因果関係の検討が望まれる.

収録刊行物

  • 教育医学

    教育医学 50 (3), 151-158, 2005

    日本教育医学会

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