超音波検査装置を用いた健康被験者における上肢末梢静脈の血流測定:パイロット研究

DOI
  • 高橋 聡明
    東京大学大学院医学系研究科附属グローバルナーシングリサーチセンター
  • 新谷 結衣
    東京大学大学院医学系研究科健康科学看護学専攻老年看護学/ 創傷看護学
  • 村山 陵子
    東京大学大学院医学系研究科附属グローバルナーシングリサーチセンター 東京大学大学院医学系研究科社会連携講座アドバンストナーシングテクノロジー
  • 野口 博史
    大阪市立大学大学院工学研究科電子情報系専攻
  • 阿部 麻里
    東京大学大学院医学系研究科社会連携講座アドバンストナーシングテクノロジー
  • Koudounas Sofoklis
    東京大学大学院医学系研究科附属グローバルナーシングリサーチセンター
  • 仲上 豪二朗
    東京大学大学院医学系研究科附属グローバルナーシングリサーチセンター 東京大学大学院医学系研究科健康科学看護学専攻老年看護学/ 創傷看護学
  • 森 武俊
    東京大学次世代知能科学研究センター
  • 真田 弘美
    東京大学大学院医学系研究科附属グローバルナーシングリサーチセンター 東京大学大学院医学系研究科健康科学看護学専攻老年看護学/ 創傷看護学

書誌事項

タイトル別名
  • Ultrasonographic measurement of blood flow of peripheral vein in the upper limb of healthy participants: a pilot study

この論文をさがす

抄録

背景:末梢静脈点滴の合併症は、時には潰瘍化にいたる重要な問題である。血流の多い血管を使用することにより、合併症予防の可能性が示されてきたが、末梢静脈の血流測定方法は確立されていない。そこで本研究では健常者における超音波検査装置による上肢静脈血流量測定の信頼性妥当性検証を行い、血流量測定を行うこととした。<br> 方法:対象は健常成人8人、上肢12本とした。上肢主要静脈である上腕尺側静脈、前腕橈側皮静脈、前腕尺側皮静脈、前腕正中皮静脈を測定部位とし、訓練を受けた看護師が測定を行った。並存妥当性の検証を行うため、従来手技である手動による測定とAuto Volume Flow(AVF)機能を用いて測定を行い、ピアソンの相関係数を計算した。評価者内信頼性検証として級内相関係数(ICC)を、既知集団妥当性として豊富な血流量が予測される上腕尺側静脈と前腕に位置する静脈を比較した。<br> 結果:測定者内信頼性について、従来手技では、すべての測定の平均は25.5 ml/minで、ICC(1,1)(1,3)はそれぞれ0.91 (p<0.01)、0.97(p<0.01)であった。並存妥当性については、従来手技、AVF による測定との相関はr = 0.96(p<0.01)であった。既知集団妥当性として、前腕の主要静脈の血流量はいずれも上腕尺側静脈と有意な差を示した(p<0.01)。<br> 結論:上肢末梢静脈の超音波検査装置による血流測定の信頼性および妥当性が示された。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ