先天性難聴

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タイトル別名
  • Genetic testing in patients with congenital hearing loss
  • センテンセイ ナンチョウ

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抄録

<p>先天性難聴の遺伝学的検査は2012年に保険収載されて以来,難聴の原因を明らかにし最適な医療を提供するために必要なツールとして全国の施設で実施されている.難聴遺伝学的検査のメリットには,1)難聴の正確な診断ができる,2)難聴の重症度や予後の予測ができ,めまいや糖尿病などの随伴症状の予想ができる,3)人工内耳を行うかどうか等の治療法選択の参考になる,などが挙げられる.2012年10月から2020年5月までの期間に当院において遺伝学的検査を施行した先天性難聴患者は119家系132名であり遺伝子変異検出率は41.7%(47家系56例)であった.難聴遺伝学的検査は,より早期の両側同時人工内耳手術の決定の際に非常に有用なツールと考えられた.また,進行性難聴における人工内耳植込の時期決定にも,難聴遺伝学的検査が有用であった.遺伝子診断後に注意すべき点として,遺伝子変異による難聴と診断した後も,慎重に難聴の経過を追うことが大切である症例が認められた.</p>

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