持続性知覚性姿勢誘発めまい (persistent postural perceptual dizziness ; PPPD)

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  • 第122回日本耳鼻咽喉科学会総会シンポジウム 持続性知覚性姿勢誘発めまい(persistent postural perceptual dizziness ; PPPD)
  • ダイ122カイ ニホン ジビ インコウ カガクカイ ソウカイ シンポジウム ジゾクセイ チカクセイ シセイ ユウハツメマイ(persistent postural perceptual dizziness ; PPPD)

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抄録

<p> 持続性知覚性姿勢誘発めまい (persistent postural perceptual dizziness; PPPD) は2017年に Barany 学会から診断基準が発表されためまい疾患で, 3カ月以上持続する浮遊感, 不安定感, 非回転性めまいを主訴とし, 症状は立位, 能動的あるいは受動的な体動, 動くものや複雑な視覚パターンを見た時に増悪することを特徴とする. 慢性めまいに高頻度 (20% 程度) に認められる. 何らかの急性めまい疾患に続発することが多いとされるが, 近年の報告では 55% は原発性で 45% は二次性であった. 検査結果では説明できないめまいという強い訴えを特徴とする. 診断する上で重要なことはめまい症状が3カ月間にわたりほぼ毎日持続していることである. 立位や頭の動き, 視覚刺激によって症状が増悪することが診断基準に含まれているが, これらは同時に存在する必要はなく, 経過中に満たせば良いことになっている. 他疾患との併存も認められている. 本疾患の診断の難しいところはほかの器質的前庭疾患や精神疾患を合併することもあるが, それらでは症状を説明できないと言う点である. そのため耳鼻咽喉科のみならず脳神経内科, 精神科の知識があると自信を持って診断することができる. 患者の気分状態やパーソナリティとして神経症傾向,不安, 強迫的パーソナリティに注目すると診断の一助となる. また二次性の場合には BPPV (良性発作性頭位めまい症) から PPPD へ移行するなど当初診断された前庭疾患からの移行や合併もあるため, 初期に診断しためまい疾患の症状が遷延する場合には本疾患を疑う必要がある. 診断が遅れると予後不良となることから早期に診断, 治療を開始することが必要である.</p>

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