酸化ストレスマーカーd-ROMsの骨質評価マーカーとしての可能性の検討 (第2報)

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<p>目的 : 骨強度は骨密度と骨質で規定され, 骨質の評価も重要であるが, 確立された骨質評価方法はない。一方で, 加齢や閉経, 生活習慣病などで高まる酸化ストレスは骨質劣化の原因とされており, 我々は, 酸化ストレスマーカーであるd-ROMsが骨質評価マーカーとなる可能性を報告した。この報告の対象には骨粗鬆症治療患者やRA患者を含んでいたが, 今回それらの患者を除外して検討した。</p><p>方法 : 2016年1月から2020年5月までに当院で人工膝関節置換術を施行したOA患者のうち, DXA, 腰椎XP, 股関節XP, d-ROMsの全データが確認でき, かつ骨粗鬆症未治療であった127例を対象とした。DXA法による腰椎・大腿骨頚部のYAM値と, 脆弱性骨折の有無で骨質の状態を推測・定義し, YAM値≦70%でも脆弱性骨折がない症例を骨質が正常のため骨折していないと判断し (骨質正常群, n=26), 一方, YAM値>70%でも脆弱性骨折を認める症例を骨質が劣化しているため骨折したと判断した (骨質劣化群, n=8)。2群間で年齢, 性別, BMI, d-ROMs, 血中ペントシジンについて比較検討した。またd-ROMsと血中ペントシジンの相関も解析した。</p><p>結果 : d-ROMsは骨質劣化群で有意に高値であり (骨質正常群 : 348.3±65.5, 骨質劣化群 : 493.5±100.1, P=0.001), 血中ペントシジンも骨質劣化群で有意に高値であった (骨質正常群 : 75.5±22.8, 骨質劣化群 : 116.4±24.4, P=0.007)。また, d-ROMsと血中ペントシジンには強い正の相関を認めた (R=0.87, P<0.001)。</p><p>結論 : d-ROMsは骨質劣化群で有意に高値であり, 骨質評価マーカーとして一定の信頼性がある血中ペントシジンと強い正の相関を認めた。d-ROMsは骨質評価マーカーとなり得る。</p>

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