日本の災害時において歯科身元判明率が向上しない要因に関する検討

• 咲間 彩香

  千葉大学大学院医学研究院法医学教室

• 斉藤 久子

  千葉大学大学院医学研究院法医学教室

• 勝村 聖子

  鶴見大学歯学部法医歯学教室

• 熊谷 章子

  岩手医科大学法科学講座法歯学・災害口腔医学分野

• 岡 広子

  広島大学大学院医系科学研究科附属死因究明教育研究センター

• 本村 あゆみ

  国際医療福祉大学医学部法医学

• 岩瀬 博太郎

  千葉大学大学院医学研究院法医学教室 東京大学大学院医学系研究科法医学・医事法学

書誌事項

タイトル別名

• Study on the factors hindering improvement in the success rate of dental identification in disasters in Japan

抄録

東日本大震災では多くの歯科医師が身元確認作業に従事したが、体制の不備による数々の問題が指摘され、歯科所見による身元判明例は総身元確認数の7.6%にとどまった。日本は多くの災害を経験し、災害時の身元確認体制について度々改善が求められてきたにもかかわらず、本震災でも身元確認作業における混乱を避けられなかった。本研究ではその要因を追求し、身元確認体制の在り方を考究することを目的に、過去の災害と東日本大震災における歯科身元確認の問題点を比較、再検証した。その結果、記録方法の全国的な不統一や、歯科所見採取に必要な装置や備品の不足、不明確な命令系統など、いずれの災害においても共通した課題が繰り返し挙げられていたことが明らかになった。死因究明先進国と比較すると日本は平時から身元不明遺体が多く、大規模災害時の歯科身元判明率も格段に低い。過去の反省を活かし、身元不明遺体数の減少に向けた対策を早急に講じるべきである。

収録刊行物

• 日本災害医学会雑誌

  日本災害医学会雑誌 26 (1), 1-10, 2021-04-30

  一般社団法人 日本災害医学会

キーワード

• 大規模災害
• 歯科法医学
• Disaster Victim Identification（DVI）

詳細情報

• CRID: 1390009062457353216
• NII論文ID: 130008136938
• DOI: 10.51028/jjdisatmed.26.1_1
• ISSN: 24344214
• ISSN: 21894035
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可