口腔内保護作用と唾液タンパク質およびシスタチンSとの相関性について

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  • 相模 結里恵
    日本歯科大学新潟短期大学専攻科 歯科衛生学専攻
  • 福井 佳代子
    日本歯科大学新潟生命歯学部 薬理学講座
  • 今井 あかね
    日本歯科大学新潟短期大学 歯科衛生学科 日本歯科大学新潟生命歯学部 生化学講座

書誌事項

タイトル別名
  • Correlation between proteolysis resistance and total protein or cystatin S in stimulated whole saliva
  • 口腔内保護作用と唾液タンパク質およびシスタチンSとの相関性について : 唾液検査としての可能性
  • コウコウ ナイ ホゴ サヨウ ト ダエキ タンパクシツ オヨビ シスタチン S ト ノ ソウカンセイ ニ ツイテ : ダエキ ケンサ ト シテ ノ カノウセイ
  • – Possibility as a saliva test –
  • -唾液検査としての可能性-

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抄録

<p> 唾液検査を口腔保健指導に繋げることを目的として本研究を行った.口腔内保護作用に着目してタンパク質分解酵素であるシステインプロテアーゼ(パパイン)の唾液における阻害活性(パパイン阻害)を測定し,その作用を有するシスタチンSの発現および唾液タンパク質濃度を調べ,その関係性を検討した.</p><p> N短期大学専攻科生5名,教員5名の計10名より刺激時全唾液(唾液)を採取し,各研究対象者の唾液タンパク質に関するモニタリングを行った.それぞれのパパイン阻害およびタンパク質濃度を測定し,さらにSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)にて唾液タンパク質を分離し,抗シスタチンS血清を用いたウエスタンブロッティングによりシスタチンS発現量(シスタチンS)を測定した.</p><p> 唾液のパパイン阻害とタンパク質濃度を測定して相関性を検討した結果,有意な正の相関関係(相関係数r = 0.724,p < 0.05)が認められた.シスタチンSとパパイン阻害の間でも有意な正の相関関係(r = 0.776,p < 0.01)が認められた.しかし,タンパク質濃度とシスタチンSの間では相関関係は認められたが(r = 0.550)有意な関係性ではなかった.</p><p> 本研究においてパパイン阻害とタンパク質濃度,またはシスタチンSの間に有意な正の相関関係が示されたことより,個別の唾液の口腔内保護作用の評価が口腔健康管理におけるオーダーメイドの保健指導に生かされる可能性が示された.</p>

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