大規模オフィスビルにおけるゼロ・エネルギー・ビルディング対策の浸透状況

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タイトル別名
  • Penetration of ZEB Ready Measures in Large Office Buildings

抄録

<p>本研究では,オフィスビルにおける省エネルギー対策の実施状況に関するアンケート調査結果を利用して,温室効果ガス削減対策として期待の大きいゼロ・エネルギー・ビルディング(ZEB)の導入効果を評価した。この評価は,国内の大規模オフィスビルが,「ZEB設計ガイドライン」で提案されている省エネ対策基準に,どれだけ近づいているかを把握したことに意義がある。さらに,同結果を東京都の都市エネルギー消費マップに適用することで,東京都のオフィスビルによる対策実施効果を把握した。その結果,省エネ対策を講じているオフィスビルはそうでないビルに比べて,東京都で平均33.8%,その他の道府県で平均25.7%エネルギー消費量が少ないと計算された。東京都を含む大規模オフィスビルの多い都府県では,最新技術(高断熱外皮,空調制御,照明制御,高効率モーター,省エネ温水供給,高効率エレベーター,など)がその他の道府県よりも多く導入されており,設備機器の高効率化が相対的に進んでいた。特に東京都では,高断熱外皮のような導入に費用のかかる省エネ対策や,照度適正化,照明制御など,高効率照明をより効果的に運用するための対策について,取り組みの水準が相対的に高かった。高効率照明(LED)の導入率については,地域間で統計的に有意な差は見られず,水準としてはその他道府県の平均実施率が最も高かった。調査結果に基づいて東京都のオフィスビルによる省エネ対策の導入効果を試算した結果,東京都全体で25.0 PJの一次エネルギー消費量が削減されていた。</p>

収録刊行物

  • 環境科学会誌

    環境科学会誌 35 (1), 19-27, 2022-01-31

    社団法人 環境科学会

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390572404751023104
  • NII論文ID
    130008149105
  • DOI
    10.11353/sesj.35.19
  • ISSN
    18845029
    09150048
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
    • KAKEN
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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