当院における EAS 症例と残存聴力を有する人工内耳症例の検討

  • 山崎 博司
    神戸市立医療センター中央市民病院臨床研究推進センター・難聴研究部 神戸市立医療センター中央市民病院耳鼻咽喉科・総合聴覚センター 神戸医療産業都市推進機構
  • 藤井 直子
    神戸市立医療センター中央市民病院耳鼻咽喉科・総合聴覚センター
  • 玉谷 輪子
    神戸市立医療センター中央市民病院耳鼻咽喉科・総合聴覚センター
  • 山崎 朋子
    神戸市立医療センター中央市民病院耳鼻咽喉科・総合聴覚センター
  • 諸頭 三郎
    神戸市立医療センター中央市民病院耳鼻咽喉科・総合聴覚センター
  • 藤原 敬三
    神戸市立医療センター中央市民病院耳鼻咽喉科・総合聴覚センター
  • 内藤 泰
    神戸市立医療センター中央市民病院耳鼻咽喉科・総合聴覚センター

書誌事項

タイトル別名
  • 当院におけるEAS症例と残存聴力を有する人工内耳症例の検討 : EASと人工内耳のシームレス化にむけて : 第122回日本耳鼻咽喉科学会総会学術セミナー
  • トウ イン ニ オケル EAS ショウレイ ト ザンソン チョウリョク オ ユウスル ジンコウ ナイジ ショウレイ ノ ケントウ : EAS ト ジンコウ ナイジ ノ シームレスカ ニ ムケテ : ダイ122カイ ニホン ジビ インコウ カガクカイ ソウカイ ガクジュツ セミナー
  • ~EAS と人工内耳のシームレス化にむけて~

この論文をさがす

抄録

<p> 残存聴力型人工内耳 (EAS) の登場と人工内耳適応基準の変更により, 術前に残存聴力を認める症例に対する人工内耳手術件数が増加している. EAS では補聴器の機能が付与されたハイブリッド型人工内耳対外機を用いて, 低音域を音響刺激として入力する. そのため, EAS の適応となる高音急墜型感音難聴では残存聴力を温存する目的と, その活用方法が明確である. 一方, EAS 以外の残存聴力を有する人工内耳症例 (residual hearing cochlear implant 症例: RH-CI 症例) では, 術後に温存された聴力をどのように活用するか, 定まった方法はない. 本研究では, まず当院の EAS 症例と RH-CI 症例の温存率を比較し, RH-CI 症例でも一定の聴力温存率が得られることを示した. さらに RH-CI 症例の1例で, 人工内耳と同じ耳に補聴器を装用すると, 人工内耳単独よりも聴覚的な利点が得られることを示した. 人工内耳体外機と補聴器を同じ耳に装着するのであれば, ハイブリッド型人工内耳体外機の方が装用者にとって扱いやすく実用的と考えられる. しかし, 現行の保険適応では RH-CI 症例にハイブリッド型人工内耳体外機を使用することはできない. RH-CI 症例と EAS 症例を一つの残存聴力を有する症例群としてシームレスに捉え, RH-CI 症例でもハイブリッド型人工内耳体外機を使用できるようにすることで, 全ての残存聴力を有する症例が効率的に残存聴力を活用できる可能性がある.</p>

収録刊行物

参考文献 (8)*注記

もっと見る

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ