日本における対人の栄養指導の定量的効果に関するスコーピングレビュー

  • 池田 奈由
    国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 国立健康・栄養研究所国際栄養情報センター国際保健統計研究室
  • 由田 克士
    大阪市立大学大学院生活科学研究科食・健康科学講座
  • 西 信雄
    国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 国立健康・栄養研究所国際栄養情報センター

書誌事項

タイトル別名
  • Quantitative Effects of Face-to-Face Dietary Guidance in Japan: A Scoping Review
  • ニホン ニ オケル タイジン ノ エイヨウ シドウ ノ テイリョウテキ コウカ ニ カンスル スコーピングレビュー

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抄録

<p>【目的】国内における対人の栄養指導の効果を評価した文献をレビューし,栄養指導の効果を把握した。</p><p>【方法】成人の生活習慣改善を目的とする栄養指導の効果を縦断研究の測定データで定量的に評価した査読付き論文で,2010年1月~2020年12月に発表されたものを研究対象とした。CiNii ArticlesとPubMedによるスコーピングレビューを行い,各文献の研究方法と主な結果を要約した。</p><p>【結果】15件の文献を採用した(和文5件,英文10件)。研究設定は地域4件,職域1件,医療機関10件であった。研究参加者数の中央値は108人,研究参加者の主な特徴は糖尿病患者と地域在住高齢者であった。臨床試験が4件(うち無作為化比較試験3件),非無作為の群間比較研究が7件,全員に同一の栄養指導を行った研究が4件であった。評価期間では3か月と6か月が最も多く,主な評価指標は体重,食事摂取状況,血液検査値,生活の質であった。14件で栄養指導の効果が認められた。栄養指導を複数回行うことの重要性を示す研究もあった。</p><p>【結論】様々な対人の栄養指導についてその効果が示されたが,出版バイアスの可能性に留意する必要がある。今後,研究機関が地域と職域の関係者と連携できる仕組みの構築や人材の確保を図り,健康な成人への栄養指導の効果について,無作為割付による定量的評価研究をより一層積極的に推進しデータを蓄積する必要がある。</p>

収録刊行物

  • 栄養学雑誌

    栄養学雑誌 79 (6), 365-372, 2021-12-01

    特定非営利活動法人 日本栄養改善学会

参考文献 (14)*注記

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