術中に使用したソフト凝固が原因と考えられた遅発性の気管支穿孔の1例

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タイトル別名
  • Delayed Bronchial Perforation Caused by Soft Coagulation after Right Lower Lobectomy

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抄録

<p>背景.気管支断端以外の術後気管支瘻・穿孔に関する報告は多くないが,エネルギーデバイスの使用で気管・気管支組織の損傷から発生するとの報告が散見される.症例.61歳女性.術前診断は右下葉肺腺癌.胸腔鏡下右肺下葉切除の術中,中間気管支幹周囲の気管支動脈から出血があり,ボール電極によりソフト凝固による止血を行った.術後約5週間に発熱をきたし気管支鏡検査を実施したところソフト凝固による熱損傷が原因と考えられる中間気管支幹の穿孔が判明したため緊急手術の方針としたが,穿孔部の閉鎖は困難と判断し開窓術を行った.連日の創処置により気管支穿孔部の自然閉鎖を認めた.結論.ソフト凝固は止血や肺瘻閉鎖に有効なデバイスだが熱損傷を起こすことがあり,その特性と,気管・気管支の解剖学的構造などをよく理解した上で適正に使用する必要があると考えられた.</p>

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 44 (1), 44-49, 2022-01-25

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

被引用文献 (1)*注記

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