照度と電力消費量データおよび単語ベクトルを用いた行動推定の試み

抄録

本稿では,行動認識において,自然言語処理によって生成された行動ラベルと単語ベクトルを用意し,zero-shot 学習を適用することで,未知行動データを推測する方法を提案する.行動認識の研究では,収集データから行動ラベルを機械学習する手法が一般的であるが,この方法では行動ラベルが学習されていない未知な行動を推定することが出来ないという問題がある.未知な行動を推定する既存研究として,行動ラベルに対して体の動きを表すコード表を用意しておいて,行動を推定するという手法を提案されている.しかし,この手法だとコード表を用意しておかなければいけないという問題がある.我々はコード表の代わりに,単語ベクトル化ツール word 2vec を用いて行動ラベルと単語ベクトルを用意し,zero-shot 学習を適用する方法を提案する.提案手法で行動推定を行った際,既存手法とどの程度変わるのか評価するため,本研究室で過去に生活行動センシング実験を行った際に収集されたデータを用いて行動推定を各手法を用いて行った.そして,各手法の精度を出力し比較を行った.また提案手法を用いて,未知な行動ラベルが推定されるのか評価するため,同様のデータを用いて予備評価を行い精度を出した.予備評価の結果,提案手法が既存手法に比べて,約 5% 精度が向上した.そして,提案手法で,7 つの未知行動ラベルを推定することができた.未知行動ラベルの精度は,適合率は最大で約89%,再現率が最大で,約 1.3% という結果となった.また,特徴量ベクトルと単語ベクトルの互換性があるのかを分析するため,特徴量ベクトルと単語ベクトル,さらに推定された単語ベクトルを行動ラベル毎に 2 次元プロットしベクトルの可視化を行った.結果,特徴量ベクトルと推定された単語ベクトルの互換性はあるが,単語ベクトルとの互換性は低いことがわかった.以上のことから,未知行動の推定精度を向上させることで,行動推定の精度はより向上し,また互換性のずれは単語ベクトルと特徴量ベクトルに含まれる情報の違いにあると考察した.

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1050011097170315008
  • NII論文ID
    170000174219
  • Web Site
    http://id.nii.ac.jp/1001/00177314/
  • 本文言語コード
    ja
  • 資料種別
    conference paper
  • データソース種別
    • IRDB
    • CiNii Articles
    • KAKEN

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