ツキノワグマによる樹幹剥皮被害防除対策の検討

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抄録

県内のツキノワグマによる剥皮被害は近年増加傾向にあり,2008年には上伊那,下伊那や木曽地方を中心に県内27市町村で被害が確認された。被害樹種はヒノキが圧倒的に多く,スギ,カラマツ,サワラ,ドイツトウヒなどで認められた。ツキノワグマによる剥皮被害木は,ヒノキでは10~15年経過すると材内部に変色・腐朽が発生し,剥皮被害最上端から上方へ0.2~1.1m広がっていた。また,ドイツトウでは被害から9年経過すると材内部に変色・腐朽が発生し,全周囲の1/2程度の被害を受けた場合,剥皮被害最上端から上方へ変色が6.5m,腐朽が3m広がっていた。剥皮被害防止を目的として,(1)「バンド処理」,(2)「間伐材等積み上げ処理」,(3)「バンド処理」と「間伐材等積み上げ処理」併用,の効果試験を行ったところ,「バンド処理」は被害防止効果がみとめられたが,「間伐材等積み上げ処理」では間伐材を積んでいない方向からの被害が発生した。

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