有効な防護柵設置率が向上した集落におけるニホンザル出没率の減少

Abstract

・兵庫県内において、2009年以降サルに対して有効な電気柵の設置率が高まった2集落(香美町S集落、豊岡市K集落)において、2011年時の柵の設置率と夏期の群れの集落への出没率の変化を調べた。・S集落には27圃場(約61.2a)の家庭菜園が存在し、そのうち約70%にあたる19圃場(約41.5a)にサルに対して有効な防護柵が設置されていた。同様に、K集落には70圃場(約116.9a)の家庭菜園が存在し、そのうち約53%にあたる37圃場(約62.9a)に有効な防護柵が設置されていた。・サルの出没率は、S集落では2009年に13.0%だったが2011年は4.4%にまで大きく減少していた。K集落では、2009年以前(2007~2009年)は18.7%だったが、2011年は7.7%程度にまで減少していた。・有効な防護柵の設置は、個々の農地を守る効果だけでなく、集落全体としての餌資源量を低減させる効果があり、サルにとっての魅力を低減させることになる。したがって集落内でサルに対して有効な防護柵の設置率を高めることは、群れの集落への出没にもその低減効果をもたらすと予想された。

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