南極海におけるカルシウム

  • 角皆 静男
    Department of Chemistry, Faculty of Fisheries, Hokkaido University
  • 山崎 忠茂
    Department of Chemistry, Faculty of Fisheries, Hokkaido University
  • 西村 雅吉
    Department of Chemistry, Faculty of Fisheries, Hokkaido University

書誌事項

タイトル別名
  • Calcium in the Antarctic Ocean

抄録

南極海およびインド洋海水中のカルシウムを測定した. 一般に表面水のCa/Cl比は深海水のものより小さいが, 南極海ではその傾向はほとんどみられない. 表面水のCa/Cl比は熱帯や亜熱帯海域で小さく, リン酸濃度とよく相関している. これらはカルシウムがカルサイトあるいはアラゴナイトについて過飽和状態にある表面水から生物の骨格をつくるために取り除かれていることを示すものであろう. この相関図より求められたCatp比は原子比で37である. しかし, カルシウムとリンの相関性は中深層水ではみられない. これはカルシウムの有機物からの再生過程がリンと異なっているためであろう. 深層水中での炭酸カルシウムの溶解によるカルシウムの増加速度は0.18μg at./(1 yr) である. この時増加する炭酸量は深層水における炭酸の全増加量の約半分である.

収録刊行物

被引用文献 (4)*注記

もっと見る

参考文献 (7)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ