Cefmetazoleの消化管内への移行に関する検討

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  • STUDIES ON THE SHIFT OF CEFMETAZOLE INTO THE GASTROINTESTINAL TRACT
  • Cefmetazole ノ ショウカカンナイ エ ノ イコウ ニ カンスル ケ

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抄録

Cefmetazoleは, 三共株式会社で開発された注射用の新合成セファマイシン系抗生物質で, グラム陰性菌やβ-Lactamase産生菌にすぐれた抗菌作用を示し1~3), 右に示す構造をもつ。<BR>Cefmetazoleをマウス, ラツト, イヌに投与したばあい, 糞便中への移行量がかなり多い4)。Cefkmetazoleのラット, ウサギ, イヌにおける胆汁排泄率も, Cefhzolin, Cephaloridine, Cefbxitinより大きい4)。これに対して, Cefmetazoleを健康成人に投与したPhaseI試験では, 投与量の大部分が尿中に回収され5), 小動物での排泄パターンとはかなり異なることを示唆した。しかし, 臨床面では, CefmetazoLeの胆のう炎6~10), 胆道感染症11~13), 急性腸炎8) に対する有効例が報告された。さらに, 総胆管癌患者14), 胆石症患者 (胆摘術時) 15), 総胆管結石症患者 (胆管ドレナージ施行時) 16~18), 総胆管閉塞患者 (PTCドレナージ施行時) 19), 外胆道痕造設患者11) などから採取された胆汁の測定によつて, Cefmetazoleのヒト胆汁中への移行性も確認された。一方, 小児科領域でも, 急性腸炎に対する有効例が報告され20), Cofmetazoleの腸管内への移行性が推測された。成人のばあいは, 胆汁排泄の検討から腸管内への移行量の口安が得られるが, 小児患者ではその種の検討はおこなわれていないため, Cefmetazoleの糞便中濃度を測定することによつて, Cefmetazole腸管内移行性を検討した。

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