悪性神経鞘腫 -全身に多発し化学免疫療法により寛解をみた1例-

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  • アクセイ シンケイショウシュ ゼンシン ニ タハツシ カガク メンエキ リョウ

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皮膚,後腹膜腔,肺に多発性に腫瘍の発生(総数約40個)をみた悪性神経鞘腫と思われる1例を経験した.自験例における腫瘍は,結合縁性被膜により被われており,光顕下で大型,異形性を示す楕円形の核と核小体,及び,紡錘形の細胞質を有する細胞よりなる.これら腫瘍細胞は索状,あるいは,うず巻状配列を呈する・腫瘍中央部では,出皿,壊死像が存在し,microcyst を形成している.多数の細胞分裂像が認められた.又,電顕下でこれら細胞は,多数の樹枝状突起を有し,neurofilament と類似の細胞内繊維(10nm intermediate filament)の集積が認められた.これら組織所見及び,臨床的に,多発性に,しかも,進行性増殖をきたす腫瘍の性格より悪性神経鞘腫と診断した.本症例に対し,化学療法(DTIC,ACNU, VCR)及び,免疫療法(OK 432)を試みたところ,皮膚腫瘍の著明な寛解をみた.1年後に皮膚腫瘍の再発が認められたが,初回入院時と同一の化学免疫療法を試み,再び腫瘍の消失及び著明な退縮をみた. 本邦における過去5年問の本症の統計的観察を行ない,1)発生病理,2)発生頻度及び臨床像,3)組織像,4)電顕像,5)治療法について,自験例と比較,考察した.

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