書誌事項
- タイトル別名
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- DOUBLE PRIMARY CANCER INVOLVING BREAST CANCER
- ニュウガン ト タ ゾウキ チョウフク ガン ノ ケントウ ジケン 13レイ
- STUDIES ON 13 CASES IN OUR CLINIC AND 531 CASES OF MULTIPLE PRIMARY CANCER REPORTED DURING 1970 TO 1979 IN JAPAN
- 自験13例と過法10年間における臨床重複癌531例の考察
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抄録
乳癌と他臓器重複癌13例と本邦での過去10年間(1970~1979)の重複癌症例531例を集計し,若干の考察を加えた.重複癌の臓器組み合わせでは消化器系間の組み合わせが最も多く,次いで消化器系と呼吸器系,頭頚部系,泌尿器系,生殖器系等の異なる系統臓器との組み合わせの順であった.乳房に関係した重複癌は531例中64例(12%)みられ,重複臓器には胃が最も多く,次いで甲状腺,子宮,大腸の順であった.また64例中24例が同時性, 40例が異時性重複癌で,異時性例が多く,そのうち第一癌が乳癌であった例は29例,第二癌の場合は11例であった.したがって乳癌術後他臓器の重複癌例が多く,重複臓器では胃,子宮,の順に多くみられ,発見間隔では5年未満15例, 5-10年末満が10例, 15年以上が4例に重複癌がみられたことは乳癌術後の経過観察に充分留意すぺきことから考えられた.<br> 自験13例の他臓器癌では胃6例,甲状腺4例,子宮2例,扁桃細網肉腫1例であり,同,異時性別では同時性2例,異時性11例と異時性が多く,発見間隔では1~7年,平均4.7年であった.また血縁者に悪性腫瘍の病歴を有する症例が13例中8例と多く,何れも胃,食道等の消化器系癌であった.予後では13例中8例は生存中で,死亡5例のうち3例は進行胃癌あるいは胃癌再発で死亡し,他の1例は手術不能の子宮癌症例で,乳癌再発死亡例は1例のみであった.<br> 以上の自験例および重複癌の本邦集計例について若干の考察を加えた結果,重複癌のなかでも異時性の頻度が高く,とくに乳癌術後の経過観察のなかで,胃,子宮,甲状腺の発見頻度が高く,また血縁者に悪性腫瘍の病歴を有する症例が多い傾向がみられた.これらの事実は重複癌発生については内分泌機構の介入とともgenetic factorの関与を示唆するものと考えられ興味あることと思われるが今後の問題であろう.
収録刊行物
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- 日本臨床外科医学会雑誌
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日本臨床外科医学会雑誌 43 (6), 651-659, 1982
日本臨床外科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205306735104
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- NII論文ID
- 130003595681
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- NII書誌ID
- AN00198696
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- ISSN
- 21892075
- 03869776
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- NDL書誌ID
- 2493602
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- データソース種別
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- JaLC
- NDL
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可