状態の移行前を表す「もう/まだ」について

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タイトル別名
  • mou and "mada", Expressing Time Before the Shift of States
  • ジョウタイ ノ イコウ マエ ヲ アラワス モウ マダ ニ ツイテ

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抄録

「彼はもう来る」には「来ていない/来るのを待っている」といった継続している状態の打ち切りというニュアンスがあるが、「彼は来る」にはそのようなニュアンスはない。また、「水がもう少し必要だ」は言えるが、「水がもう必要だ」は特殊な状況を設定しないと言えない。これはいずれも「もう」が状態継続の打ち切りという意味を付加するためであり、動作性述語文の前者では状態継続の打ち切りのための手段が述語によって表され、状態性述語文の後者では述語による手段の明示の代わりに状態継続の打ち切りまでの必要量があらわされており、これは必須となっている。一方 「まだ」は状態継続の維持を表すだけなので、動作性述語であれ、状態性述語であれ、「もう」に見られるような制約はない。

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