有畜複合農業システムのための麦稈の新飼料化システムの実用的導入

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  • ユウチク フクゴウ ノウギョウ システム ノ タメ ノ バッカン ノ シン シリョウカ システム ノ ジツヨウテキ ドウニュウ

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抄録

畑作地帯に賦存する地域資源として麦稈に着目し、その有効利用を図るため、麦稈のアンモニア処理新飼料化システム「ほくのう・S」を用い各種の現地試験を行い、実用性の検証と利用上の留意点を明らかにした。試験農家におけるアンモニア処理麦稈(処理麦稈)の長期給与試験では、処理麦稈給与に起因する繁殖・育成成績、血液成分に異常は認められなかった。処理麦稈の採食性はグラスサイレージには及ばないものの、黒毛和種繁殖牛飼養においてグラスサイレージの自由採食では肥満する可能性があり、繁殖牛の良好なボディコンディションスコアの維持に処理麦稈の多給が有効であった。処理麦稈を給与した黒毛和種肥育牛の肥育成績は、主な粗飼料をチモシー乾草あるいはコーンサイレージとした肥育と比較して遜色なく、特に肥育の後半の日増体量が優れていた。乳牛では、育成牛における処理麦稈の利用の可能性は認められたが、搾乳牛においては処理麦稈の採食性が悪く、他の飼料との混合飼料の形態での給与を検討する必要がある。

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