大阪湾東部における淡水緑藻ビワクンショウモ <i>Pediastrum biwae</i> 遺骸を指標とした淀川起源細粒粒子の拡散

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タイトル別名
  • Fine-grained sediments dispersion in the eastern part of Osaka Bay, based on distribution of remains of <i>Pediastrum biwae</i> (fresh water green alga) from the Yodo River
  • 大阪湾東部における淡水緑藻ビワクンショウモPediastrum biwae遺骸を指標とした淀川起源細粒粒子の拡散
  • オオサカワン トウブ ニ オケル タンスイ リョクソウ ビワクンショウモ Pediastrum biwae イガイ オ シヒョウ ト シタ ヨドガワ キゲンサイリュウリュウシ ノ カクサン
  • Fine-grained sediments dispersion in the eastern part of Osaka Bay, based on distribution of remains of Pediastrum biwae (fresh water green alga) from the Yodo River

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抄録

大阪湾東部の底質は中央粒径値が6φより細粒の泥質堆積物で特徴づけられる. 淀川から大阪湾へ供給される淡水緑藻ビワクンショウモの遺骸は, 大阪湾東部の大部分の場所から検出され, 特に淀川の河口近傍で大量に検出された. ビワクンショウモ遺骸はその形状・大きさ・比重から細粒シルトより小さな球形石英粒子に相当する沈降速度を持つと考えられるため, この遺骸は河口域での凝集体形成と関わって沈積したと解釈される. ビワクンショウモ遺骸の分布と底質の粒度から, 淀川から供給された細粒粒子は大阪湾東部に広く拡散されるが, 淀川の河川作用が陸源砕屑物の運搬・沈積に強く影響を及ぼしている範囲は河口から約10km程度であると考えられる. 一方, より西側では底質の粒度組成が西に向かって粗くなること, ビワクンショウモの遺骸数が南南西に向かって減少し, 須磨沖付近の地点からは検出されなかったことから, 淀川の河口近傍で沈積しなかった, あるいは一旦定着した後再移動した細粒粒子は, 明石海峡からの潮流や恒流の堆積作用により大阪湾東部に広く拡散し, 底質を形成していると考えられる.

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