有機認証野菜のビタミンC及び硝酸含有量

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  • ユウキ ニンショウ ヤサイ ノ ビタミン C オヨビ ショウサン ガンユウリョウ

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抄録

有機認証野菜のビタミンC、硝酸の測定を行い、食品成分表の値を比較対照として市販有機野菜の品質を評価した。また、2種の葉菜(マナ、ビタミンナ)を窒素使用量を変えて水耕栽培を行い、窒素施用量と野菜のビタミンCや硝酸の関係を検討した。(1)ビタミンCは、今回の調査では多くの試料で食品成分表値を上回るものが多かったが、イモ類は値が下回った。イモ類は貯蔵による影響が考えられた。(2)葉菜のコマツナ、カラシナなどでは、成分表値に比べてビタミンC含量の多い例が目立ち、コマツナなど100mg/100g以上のものが多くみられた。(3)根菜、果菜もビタミンC含量が多い傾向が認められた。(4)有機野菜の硝酸は成分表値を下回る品目が比較的多かったが、高含有の試料も少なくなかった。品目間の変動が大きいため硝酸含量の特徴付けは困難と思われた。(5)菜の一株重は窒素が多いと増加するが、窒素過多では抑制された。菜中の硝酸は窒素量を増すと明らかに増え、最も多く施した区で最大であった。ビタミンCは逆に窒素施用量が少ない区で含有量が多くなった。このことから野菜の成分含有量は、肥料の種類、形態、栽培時期、圃場条件などにより変わることが想定された。有機野菜の成分特性は栽培環境に影響を受けることから、有機品の成分的特徴を把握するためには栽培条件の開示の必要性が考えられた。

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