ルーマニアにおける過放牧による土地荒廃について

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  • ルーマニア ニ オケル カホウボク ニ ヨル トチ コウハイ ニ ツイテ
  • Land Degradation by Intensive Transhumance of Sheep in Romania

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type:Article

ルーマニアのチンドレル山地において,羊の移牧の基地であるジーナとポヤナシビウルイ(約950~1000m)の士地荒廃が何によるものであるかを調査した.2003年9月から2004年9月までの1年間の測量結果から,著しく土壌侵食が進行していることがわかった.この原因は,自然条件としては次の2点が挙げられる.1)固いプレカンブリア時代の結晶片岩を母材とするレゴソルの土地条件であること,2)雨の降り方が,日降水量15mmを越える日が多く,半乾燥地域特有の雨であること,である.しかし聞き取りによると,この地域では,1989年12月の革命以後,羊の頭数は約10倍になっており,過放牧の状況にある.豚の放牧が行なわれているロマの集落周辺では,特に土地荒廃が著しいなどの,人的要因が明らかになってきた.革命後の自由経済がもたらしたこの土地荒廃は,1年間の観測期間内でも相当進行しているので,早急に対応策を打ち出す必要性がある段階に達していることがわかった.

Journal

  • 法政地理

    法政地理 37 35-44, 2005-03-24

    法政大学地理学会

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