<論説>ムザッファル朝における支配の正統性 : Mubariz al-Din Muhammad 治世の政策の変遷

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タイトル別名
  • <Articles>The Legitimacy of the Rule of the Muzaffarids : Changes in Policy during the Reign of Mubariz al-Din Muhammad
  • ムザッファル朝における支配の正統性--Mubariz al-Din Muhammad治世の政策の変遷
  • ムザッファル チョウ ニ オケル シハイ ノ セイトウセイ Mubariz al Din Muhammad チセイ ノ セイサク ノ ヘンセン

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抄録

イル・ハーン朝末期、ヤズドの支配権を授与されたムザッファル朝の創始者 Mubariz al-Din Muhammad は、Abu Sa id 死後の混乱期において、ヤズドの有力者であるニザーム家に関わる人々を経済的保護によって優遇し、ケルマーン地方進出以降には、ウラマーの側も積極的に王朝の支配を支持する姿勢をとるようになる。こうして Mubariz al-Din は徐々に支配に対する都市住民の支持を獲得したが、シーラーズ征服後、さらなる遠征を前にして、新たに支配領域に組み込んだファールス地方に対し、これまで以上に支配者としての立場を明確にする必要に迫られた。このため、カイロのアッバース朝カリフに対するバイアを行い、その後世俗権力者「スルタン」としての地位とカリフの持つ宗教的権限をも主張するようになった。こうした支配者としての権威の変遷は、モンゴルの影響が急速に薄れていくイランにおいて、新たなる君主像が生まれつつあったことを示しているといえよう。

収録刊行物

  • 史林

    史林 89 (5), 714-742, 2006-09-01

    史学研究会 (京都大学文学部内)

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