富士北麓、通称ブナ広場における大木の分布パターン

書誌事項

タイトル別名
  • Distributional pattern of large trees in a decidious-broad leave forest in northern slope of Mt.Ohmuro,a parasitic volcano of Mt.Fuji
  • フジ ホクロク ツウショウ ブナ ヒロバ ニ オケル タイボク ノ ブンプ パターン

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抄録

富士山北西山麓に位置する寄生火山である大室山北斜面の天然記念物「富士山原始林」の一部において120m×120m(1.44ha)のコドラートを設置し、直径50cm 以上の個体を大木と決め、位置、サイズ(胸高直径:DBH)、種類の測定を行った。イヌブナ、カツラについては、萌芽を盛んに行うため、直径の積算が50cm を超えるものを大木として扱った。その結果、DBH で50cm を超える種類は、アサダ(Ostryaja ponica)、イヌシデ(Carpinus tschonoskii)、イヌブナ(Fagus japonica)、ウラジロモミ(Abies homolepis)、エンコウカエデ(Acer mono var.connivens)、カツラ(Cercidiphyllum japonicum)、キハダ(Phellodendronamurensee)、サワシバ(Carpinus cordata)、ツガ(Tsuga sieboldii)、ハリモミ(Picea polita)、ブナ(Fagus crenata)、ミズキ(Cornus controversa)、ミズナラ(Quercus crispula)、モミ(Abies firma)、ユクノキ(Cladrastis sikokiana)の15種類であった。また、DBH で1m を超える幹を持つ個体が5個体確認された。最も大きな個体はミズナラで、胸高直径1.79m(下部が盤根のようになっているのでその上部で測定)であった。2番目に大きな個体もミズナラで1.48m(下部が盤根のようになっているのでその上部で測定)であったが、ミズナラはこの2個体しか確認できなかった。3番目に大きな個体はブナで1.41m であった。以下、イヌブナ1.18m、イヌブナ1.02m となった。また、1m に近い個体は多く見られた。

収録刊行物

  • 富士山研究

    富士山研究 2 25-31, 2008-03

    富士山科学研究所

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