インゲンマメ新品種「絹てぼう」の育成

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  • インゲンマメ シンヒンシュ キヌテボウ ノ イクセイ

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抄録

「絹てぼう」は、炭そ病抵抗性で、加工適性に優れた良質の手亡類品種の育成を目標とし、1995年に北海道立十勝農業試験場において、大粒良質多収で炭そ病抵抗性の「十系A216号」を母、良質で炭そ病抵抗性の「十系A212号」を父として人工交配し、以後選抜、固定を図ったものである。2000年から「十系A283号」の系統名で各種試験を実施するとともに、加工適性試験は(株)御座候が共同研究「粒あん加工適性に優れる手亡の新品種育成」において担当した。加工適性及び外観品質に優れていたことから、2001年から「十育A56号」の系統名で各種試験を実施し、2004年に北海道の優良品種に認定された。本品種は、「姫手亡」より未吸水粒の発生が少なく、粒あん加工適性に優れる。あん色が「姫手亡」より白く、あんはねばりが強く、滑らかな食感である。子実の大きさは「姫手亡」より大きく、北海道で確認されているインゲン炭そ病のrace7、race38及びrace81のすべてに対し抵抗性を有する。収量性は「姫手亡」にやや劣り、極端な低温条件下では低収となる。栽培適地は、北海道のインゲンマメ作付け地帯のうち道東の特に冷涼な地帯を除く地帯で、「姫手亡」の一部に置き換えて普及を図ることにより、道産手亡の需要維持と新たな需要開拓に寄与できる。

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