地域資源循環システムにおける環境保全型農業推進の課題 : 山形県長井市の「レインボープラン」を事例に

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  • チイキ シゲン ジュンカン システム ニ オケル カンキョウ ホゼンガタ ノウギョウ スイシン ノ カダイ ヤマガタケン ナガイシ ノ レインボープラン オ ジレイ ニ

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今日、地球温暖化への対応策として循環型社会の形成が注目されている。現在のようにバイオマスが注目されていなかった1996年という時期から、地域住民を主体にこうした循環型社会の構築に向けた実践活動を行ってきたのが山形県長井市におけるレインボープランである。長井市レインボープランでは、地域住民の生ごみの分別回収から、堆肥製造プラントによる生ごみを主原料とする堆肥化、堆肥を用いた減農薬減化学肥料栽培の取り組み、農産物の地域内流通の実現というまさに地域資源循環システムが構築されている。本稿では、このシステムにおいて中核的な役割を果たしている堆肥を利用して農産物を生産する農家に注目し、それら農家(取り組んでいない農家を含む)を対象とするアンケート調査によって、生産農家の側からこうした地域資源循環型システム構成上の課題を明らかにする。加えて、堆肥利用による環境保全型農業が推進し、農産物の地産地消が拡大するための条件を提示するものである。本稿の分析によれば、持続的な循環システムとしていくためには、堆肥原料となる有機質資源の確保と、直売所を中心とする販売活動の強化、多様な農家が参画できる体制づくりが重要であることが明らかとなった。

Journal

  • 農村研究

    農村研究 (109), 26-34, 2009-09

    東京 : 食料・農業・農村経済学会

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