農村版コミュニティ・ビジネスの展開に関する実証的分析 : 和歌山県上秋津地区の実態調査から

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  • ノウソンバン コミュニティ ビジネス ノ テンカイ ニ カンスル ジッショウテキ ブンセキ ワカヤマケン カミアキズ チク ノ ジッタイ チョウサ カラ

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近年、農村の復興におけるコミュニティ・ビジネスの役割が注目されている。そこで、コミュニティ・ビジネスの展開を支える要因を明らかにするため、和歌山県田辺市の上秋津地区を対象とし、同地区でコミュニティ・ビジネスとして事業展開する「農産物産売所きてら」を事例とした実証的分析を行った。その結果、事例地区におけるコミュニティ・ビジネスが、単なる一事業ではなく、地域全体の活動として展開できたこと、また、地域住民が参加しやすい環境の中で活動できたこと、この2点がコミュニティ・ビジネスの展開を支えていることが明らかになった。地域住民が、事例農産物産売所を、むらづくりの一環として捉え、「自分たちのもの」として認識したことにより、地域住民による積極的な参加を可能にしていた。そして、そのような地域住民による共通の認識をもたらしたのが、地域経営主体であることが明らかになった。地域経営主体が、各組織や地域住民からの意見を集約し、それを地域の総意としてまとめ上げ、地域住民に浸透させるという機能を果たしてきたことで、コミュニティ・ビジネスの展開を支えてきたのである。また、本研究を通じて、従来のコミュニティ・ビジネスではみられなかった、外部に積極的に働きかける新たな展開がみられた。これが可能になった要因としても、地域経営主体が果たす役割が大きいことから、コミュニティ・ビジネスの展開のために地域経営体が果たす機能が、一つの重要な鍵になることが明らかになった。

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