在日外国人留学生の異文化ストレスと適応の分析

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  • Analyses of Stress and Adaptation of Foreign University Students in Japan

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抄録

<p> [目的] 文部科学省の政策により、日本で学ぶ外国人の数が増加しているが、外国人学生の生活や健康状態を調査した報告は少ない。本調査では外国人学生を対象に、ラザラスのストレス理論を基にstress,personality,coping strategies,mental healthの関連を分析し、メンタルヘルス上ハイリスク学生の特徴を明らかにすることを目的とした。本研究の意義は、これら増加する外国人学生へのサポートのあり方を検討する資料とすることである。</p><p> [方法] 研究デザインは、因子探索型・因子関連型横断的量的研究である。全国5大学の協力を得てconvenience sampling法により無記名自記式質問紙を638部配布し、143部を分析に用いた。[結果] ストレス要因、性格特性、コーピング方法とメンタルヘルスには一連の関連が見られた。メンタルヘルス上ハイリスクなのは、男子学生(GHQ M=4.15,SD=4.5) より女子学生(GHQ M=6.6,SD=6.7)であった。特に、Type Aは男女とも最も注意を要する。女子学生は情動関連のストレス要因 (孤独、ホームシック、不安の増大、日本での生活への失望観) に弱く、また、情動中心型ストレスコーピング方法を用いており、メンタルヘルス状態も男子学生より悪かった。[考察] ウィメンズヘルス及びメンタルヘルス上注意を要するのは、Type Aの女子学生であり、情動関連のストレス要因に配慮した支援策、及び有効なストレスコーピング方法がとれる支援策が今後の課題である。</p>

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