四国のヒノキ人工林において台風が落葉動態に及ぼす影響

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  • Effects of typhoons on leaf fall in hinoki cypress (Chamaecyparis obtusa Endlicher) plantations in Shikoku Island

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抄録

四国地域の標高の異なる2つのヒノキ林において、間伐区と対照区を設定し、落葉量の動態を5年間評価した(2002-2006年)。この地域には2004年に多くの台風が接近したが、この年の年間落葉量は台風前(2002-2003年)の1.17-2.25倍の値を示した。台風の影響は高標高域で低標高域よりも大きく、間伐区で対照区よりも大きかった。一方、台風後(2005-2006年)の年間落葉量は、台風前(2002-2003年)の1.05-1.41倍を示した。台風の影響は間伐林分で大きかったものの、台風後の回復は間伐区と対照区の間に差が認められなかった。高標高域では2004年の落葉時期(落葉が年間量の50%に達する時期)が早い傾向が認められた。一方、低標高域では2004年の落葉時期は変化せずに落葉期間(落葉が年間量の10%から50%に達するまでの期間)が長かった。この結果は、台風に対する落葉の反応が標高によって異なることを示す。すなわち、高標高域では、台風後直ちに落葉するが、低標高域では台風後にすぐには落葉せず、しばらく経過してから徐々に落葉した。これらの結果、ヒノキ人工林において台風後に落葉生産は速やかに回復しており、台風後に新しい葉の生産が急速に増加することが示唆された。

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