世紀転換期フランス文学における「人工楽園」の喪失 : ジャン・ロランの『フォカス氏』にみる「蒐集家殺し」への道

書誌事項

タイトル別名
  • セイキ テンカンキ フランス ブンガク ニオケル ジンコウ ラクエン ノ ソウシツ ジャン ロラン ノ フォカスシ ニ ミル シュウシュウカ ゴロシ エノ ミチ

この論文をさがす

抄録

19世紀末フランスにおいて顕著にあらわれる「室内」の表象とは, 室内装飾をめぐる美的流行を示すだけではなく, 急速に近代化・公共化していく都市文化に対する同時代の芸術家たちの態度表明でもあった。洗練された事物を集め, そこに自己を投影する「蒐集家」の室内は, 世界そのものを再創造しているという夢想にとりつかれながらも, それを展示すべき他者を拒絶するという矛盾を露呈し, やがては内部から崩壊していく。本論文は, こうした「蒐集家の室内」に影響を受けた, 世紀末の「人工楽園」へ向かう文学的傾向が, やがて世紀転換期にいたり否定され乗り越えられていく過程を考察するものである。……

The representation of 'interior', which remarkably appeared in France at the end of the 19th century, not simply showed the aesthetic trend surrounding interior decoration, but also clarified the stance taken by artists living in the same period toward urban culture that was rapidly becoming modern and public. ......

収録刊行物

  • 都市文化研究

    都市文化研究 13 2-12, 2011-03

    大阪市立大学大学院文学研究科 : 都市文化研究センター

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ