<論説>FTA交渉と欧州統合 (一九五六~一九五九) : フランスの対応を手がかりにして

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タイトル別名
  • <Articles>The Negotiations of the Free Trade Area and European Integration, with Particular Reference to the French Response
  • FTA交渉と欧州統合(一九五六~一九五九) : フランスの対応を手がかりにして
  • FTA コウショウ ト オウシュウ トウゴウ(イチキュウゴロク~イチキュウゴキュウ) : フランス ノ タイオウ オ テガカリ ニ シテ

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抄録

一九五六年、イギリス政府によって発表された自由貿易圏(Free Trade Area. 以下FTA) 構想は、欧州経済協力機構に参加する西欧一七ヵ国を対象とする欧州構想であった。本稿ではFTA交渉におけるフランスの対応を分析することで、同交渉を欧州統合史の中に位置づけることを目指す。FTA交渉は欧州経済共同体(European Economic Community. 以下EEC) 設立以前のみならず設立以後も続けられ、交渉が続く限り、来るべき欧州統合のあり方は不明瞭なままであった。最終的にFTAが組織化されることはなかったものの、EECは交渉成果の一部を組み入れ、非加盟国を対象とする自由化措置を採用することを決定した。この決定に大きな影響を与えたのは、フランスと欧州委員会の協力であった。FTA交渉はローマ条約が定めていない新たな非加盟国との関係を規定し、欧州委員会のプレゼンスを強化するという影響力を秘めていたと結論づけられる。

収録刊行物

  • 史林

    史林 95 (3), 457-490, 2012-05-31

    史学研究会 (京都大学大学院文学研究科内)

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