書誌事項
- タイトル別名
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- Postoperative Life Reconstruction Process of Patients who Received Adjuvant Therapy during Recovery from Esophagectomy
- ショクドウ セツジョ ジュツゴ ノ カイフク カテイ ニ オイテ ホジョ リョウホウ オ ウケタ カンジャ ノ ジュツゴ セイカツ サイコウチク カテイ
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抄録
<p>要 旨</p><p>本研究の目的は,食道切除術後の回復過程において補助療法を受けた患者の術後生活再構築過程を明らかにし,看護実践への示唆を得ることである.対象は,食道がん治療目的で食道切除術を受け退院後6カ月以上経過し,術後補助療法が終了している外来通院中の患者22名である.外来受診時に半構成的面接を行い,修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチの手法を用いて分析した.</p><p>その結果,食道切除術後の回復過程において術後補助療法を受けた患者の術後生活再構築過程は《生活圏の狭小化》および《命と引き替えに生活圏の狭小化を受け入れ自分流の暮らし方を獲得する》をコアカテゴリーとする過程として説明できた.この過程は,【予想をはるかに超えて苦痛と化した摂食・嚥下行動】が引き起こす『元には戻りそうにない実感』から始まっていた.この実感を『食べられなくなるのは当たり前』と捉える患者がいる一方で,『食道の手術を受けたことの意義を自問する』ことと『誰にでも起こることかどうか思い迷う』気持ちが交錯するが『食事にまつわる症状を他患と比べる』ことで納得する患者もいた.前者・後者ともにこの段階で『命と引き替え』と言い聞かせ,『今まで通り暮らしていくことの難しさ』に直面しながらも『周囲の期待を回復への糧にする』気持ちで『食べる量を増やすための試行錯誤を重ねる』試みを続けていた.しかし,この試みは術後補助療法により長期化し,これが『失職に伴う経済的困窮への懸念』および【活動可能範囲の狭まり】をもたらしていた.しかし,患者は,『命と引き替え』と言い聞かせたことを想起し自分の身体状況を客観視することで『時間の経過に伴う回復の実感』および『摂取可能量増加に伴う回復への期待』が生まれ,『これまでの生活を改め,健康に留意した生活を送る』という新たな価値観を身につけ,『慣れる努力をしつつ自分流の暮らし方を探す』ことで最終的に生活の再構築に至っていた.また,術後に生じた【転移・再発・新たな部位へのがん発症への怯え】が常に患者の心の根幹に存在していた.</p>
収録刊行物
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- 日本がん看護学会誌
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日本がん看護学会誌 26 (1), 22-31, 2012
一般社団法人 日本がん看護学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204480056704
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- NII論文ID
- 130006832640
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- NII書誌ID
- AN10224792
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- ISSN
- 21897565
- 09146423
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- NDL書誌ID
- 023828844
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDL
- CiNii Articles
- KAKEN
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可